清 竜人
19歳でデビューし、その天賦の才で一躍話題をさらったシンガーソングライター清 竜人。一夫多妻制アイドルグループ「清 竜人25」としての活躍や、ファンとライブや楽曲を無償で共有する「清 竜人TOWN」など、前代未聞の活動をしてきた彼が『新曲発表会』を開催する。イベントを前に、彼の遍歴を追ってみた。
文・山田 百合子 / text by Yuriko Yamada (oto machi http://otomachi.net/)
清 竜人ほど、稀有な表現者はいない。そう断言しても過言ではないほど、彼の存在は特異だ。一言で言えば、彼は作品ごとに別人のように変化するミュージシャンである。
叔母が拾ってきたギターを手に、曲を作り始めたのが15歳。16歳の夏に自主制作した音源が多くの業界関係者の耳に留まり、17歳の夏、全国高校生バンド選手権のグランプリを受賞。副賞として同年『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』への出演を果たす。2009年3月、1stシングル「Morning Sun」でメジャーデビュー。デビューアルバム『PHILOSOPHY』や、恋愛時の心の機微をリアルに綴った3rdシングル「痛いよ」で、その評価を決定付ける。
赤裸々でストレートな歌詞、透明感のあるメロディーや洗練されたサウンドは瞬く間にリスナーの心を射抜いた。繊細で美しく、真摯な音楽を奏でる若き歌い手。しかしそんなイメージは、4thアルバム『MUSIC』で大きく覆されることになる。清はアニメ、アイドル、ゲームシーンで活躍するクリエイターをアレンジャーに迎え、人気声優や女優、赤ちゃんから老人まで、ボーダーレスなキャストを起用して、全曲打込み主体の異色作を発売したのだ。数々のセリフが飛び交う、まるでミュージカルのごとき作品は多くのリスナーを驚かせた。
そして2012年12月には、一切の虚飾を排し、自らの欲望や自意識をまるごと切り取った自叙伝的5thアルバム『KIYOSHI RYUJIN』をリリース。CD店では販売せず、ツアーチケットとセットでのみ入手できることでも話題となった。6thアルバム『WORK』では、コーラスや楽器のアレンジまで全て自身で手がける。ポップス、ジャズ、フュージョンなどあらゆるジャンルを昇華しつつ、10曲約30分という短さで、これまでの活動の集大成とも言える緻密なポップ作品を作り上げた。
と、ここまでの経歴だけでもかなりのインパクトだが、さらなる変化はここからである。清はその後、一夫多妻制アイドルグループ「清 竜人25」として活動を開始。プロデューサー兼メンバーの彼とその妻達で構成されたグループで、アイドルの固定概念を覆す全く新しいエンタテインメントを確立した。しかし2017年6月、人気絶頂のうちに幕張メッセイベントホールにて行われた解散ライブをもって、約3年間の活動に幕を閉じる。
それと並行し、2016年12月には「清 竜人TOWN」の活動も開始。これは“清とリスナーが同じ目線で音楽を楽しむ”というコンセプトのもと、楽曲は全てフリーダウンロード可、ライブも一切無償でファンと共にするというもの。ライブ会場ではただ観るのもステージで歌うのも、楽器を演奏するのも自由。音楽性は一転して、衝動的なパンクだった。
2017年12月には、約4年ぶりにソロツアー(ピアノ弾き語り)を開催。全公演即日完売を記録し、新たなソロ活動のきっかけを作る。
そして2018年5月31日(木)。渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにて『清 竜人 新曲発表会』の開催が決定した。1日2回公演、各公演の長さは約30~45分というスタイルで、新曲のみが初披露される。作品ごとにその音楽性や表現方法、ビジュアルを変えてきた彼が、今度はどんなサプライズを見せてくれるのか。いずれにせよ、貴重な1日となることは間違いない。
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